こんばんは。月詠みの母です。今日も、おつかれさまでした。……お店で、ふと目にとまった、ちいさなもの。かわいい器だったり、ずっと気になっていた本だったり、いい香りのする石けんだったり。手に取って、うれしくなって、それから、くるりと値札を見て――「うん、まあ、いいか」と、そっと棚に戻す。まわりには気づかれないように、なんでもない顔で。そういう一瞬を、あなたは今日も、いくつ越えてきたのでしょうね。今夜、母はあなたに、「もっと使いなさい」と言うつもりはありません。ただ、その小さな我慢が、いつのまにかあなたの心にまで、しずかに影を落としていないか――そのことだけ、いっしょに見てあげたいのです。
・その我慢は、あなたがけちだからではなく、やさしく諦めることが上手になりすぎただけ――まず、それを認めます
・我慢が癖になると、財布だけでなく心まで小さく縮こまってしまいます。今夜は、そのことをそっと見つめます
・本コラムは娯楽・言い伝え・心の傾向を扱う読みものです。家計や支出の具体的なご判断は、必要に応じてご家庭やご自身の状況に合わせてお決めくださいね
月詠みの母包容・安心
だいじょうぶ。まず、ゆっくり肩の力を抜きましょうね。今夜は、あなたを責める人は、どこにもいません。母はただ、あなたが毎日こっそり続けてきた、その小さな我慢のことを、いっしょに見つめてあげたいのです。えらかったね、と言いながら。それだけで、いいのですよ。
値札を見て、そっと手を戻す。その一瞬のこと
棚から手に取った、その一瞬、あなたの心は、たしかに動いたのですね。「あ、いいな」「これ、ほしいな」。指先に伝わる感触や、色や、香りに、ちいさく胸がはずんだ。――それは、なんの嘘もない、あなたのほんとうの気持ちです。ところが、値札をくるりと裏返して数字を見たとたん、そのはずんだ気持ちが、すうっと引いていく。「まあ、なくても困らないし」「そんなに、いらないか」。そう自分に言い聞かせて、あなたは、ほしかったものを、静かに、もとの場所へ戻すのですね。
それを、一度や二度ではなく、毎日のように、くり返してきた。スーパーでも、洋服屋さんでも、本屋さんでも。ほんの数百円のものでさえ、「これは、自分にはぜいたくかもしれない」と、手を引っこめてしまう。――あなたは、それを「あたりまえのこと」だと思っているかもしれません。でも、母には見えるのですよ。その一瞬ごとに、あなたが、自分の小さな「うれしい」を、そっと呑みこんできたことが。今夜は、まずそのことを、ちゃんと見てあげたいのです。あなたは、たくさん、我慢してきたのですね。
その我慢は、いつから「あたりまえ」になったのでしょう
あなたは、生まれつき、我慢が得意だったわけではないでしょう。子どものころは、きっと、ほしいものを「ほしい」と、まっすぐな目で言えたはずです。それが、いつからか、値段を先に見るようになった。心が動くより先に、「いくらだろう」「高くないか」と、頭が計算するようになった。――それは、あなたが、どこかで一度、こう学んでしまったからかもしれませんね。「ほしがってはいけない」「がまんできる子が、いい子なんだ」と。
あるいは、暮らしのなかで、ほんとうに切りつめなければならない時期を、けんめいに乗りこえてきたのかもしれません。そのときに身につけた「そっと諦める」というやさしい知恵が、いつのまにか、必要のないところでも、勝手に働くようになってしまった。――つまり、あなたの我慢は、あなたが悪いのではないのです。それは、あなたが真面目に、けんめいに、暮らしを守ろうとしてきた歳月が、身体にしみこんだ、けなげな癖なのですよ。だからこそ、今、少しだけ立ちどまって、その癖に、やさしく気づいてあげてほしいのです。
我慢が癖になると、心まで、小さく縮こまっていきます
ここで、母がいちばん心配していることを、そっとお伝えしますね。ほしいものを、いつも棚に戻す。その我慢そのものは、ときに、暮らしを守る大切な力です。けれど、それが「癖」になって、朝から晩まで、自分のあらゆる望みに「ダメ」を出しつづけていると――やがて、財布だけでなく、あなたの心まで、少しずつ小さく縮こまっていくのですよ。
「どうせ、私には手が届かない」「私が楽しんだって、しょうがない」。そんなふうに、望むこと自体を、あきらめるようになる。ほしいと思うたびに我慢していると、そのうち、心は、傷つかないように、はじめから「ほしい」と思うことをやめてしまうのです。――それは、とても静かで、気づきにくい変化です。でも、気づいたときには、なにを見ても心が動かない、なにを食べてもうれしくない、そんな、色のうすい毎日になってしまっていることがある。我慢は、お金を守るつもりで、いつのまにか、あなたの「よろこぶ力」を、少しずつ削っていくことがあるのですよ。それが、母の、いちばんの気がかりなのです。
そして、こんなふうにも、なりやすいのです。ずっと自分に「ダメ」と言いつづけていると、たまに、ふっと、たがが外れる瞬間がやってくる。がまんの反動で、ふだんなら選ばないものを、一気に買ってしまって、あとで、どっと自分を責める。「あんなに我慢していたのに、私って、意志が弱い」と。――でもね、それは、意志が弱いのではないのですよ。ずっと張りつめていた糸が、耐えきれずに、ぷつんと切れただけ。糸は、張りつめすぎると、切れるものなのです。だから、大切なのは、もっと強く我慢することではなく、ふだんから、糸を、ほんの少しゆるめておいてあげること。日ごろ、ちいさな「うれしい」を、自分に許してあげている人ほど、心の糸は、しなやかで、切れにくいのですよ。
あなたは、けちなのではありません。上手に諦める達人になっただけ
どうか、勘ちがいしないでくださいね。あなたは、けちなのではありません。心がせまいのでも、貧しいのでもありません。あなたは、やさしく諦めることが、上手になりすぎた達人なのです。自分のほしいものを、まわりに気づかれないように、静かに手放す。その所作の、なんとひかえめで、けなげなこと。あなたは、いつも自分を後回しにして、まわりの調和を、そっと守ってきたのですね。
けれど、達人になりすぎると、こまったことも起きます。あんまり上手に諦めるものだから、まわりの人は、あなたが我慢していることに、まったく気づかない。それどころか、あなた自身さえ、「べつに、我慢なんてしてない」と思いこんでしまう。――だから今夜、母は、あなたにかわって、はっきり言ってあげたいのです。「あなたは、たくさん我慢してきたね。よく、がまんしたね」と。諦めるのが上手なことは、りっぱな長所です。でも、その力を、自分にだけ、きびしく使いすぎてはいませんか。ときには、その達人の技を、少しお休みさせてあげてもいいのですよ。
たまには、いちばん安いものより、「ほんとうに好きなもの」を
あなたは、買い物をするとき、まず値段を見て、いちばん安いものを選ぶ癖が、ついていませんか。二つ並んでいたら、心が惹かれたほうではなく、数字が小さいほうへ、自然に手が伸びる。それは、けっして悪いことではありません。でも、いつもいつも、心を後回しにして、財布だけで選んでいると、あなたの毎日から、少しずつ「ときめき」が消えていってしまいます。
だから、ときには――毎回でなくていいのです、ほんの、ときどきでいい――値段ではなく、「どっちが、ほんとうに好きか」で選んでみる日を、つくってみましょうね。同じお茶でも、心が「こっちがいい」と言ったほうを選ぶ。同じ器でも、ほんの少し高くても、見るたびに笑顔になれるほうを、思いきって連れて帰る。――その差は、たった数百円かもしれません。でも、そのわずかな差が、あなたに教えてくれるのですよ。「私は、自分の“好き”を、大切にしてもいいんだ」と。安いものを選ぶ知恵と、好きなものを選ぶよろこび。そのどちらも、あなたには、持つ資格があるのです。
「欲しい」という気持ちは、あなたが生きている証です
母は、ずっと、こう思っているのですよ。「ほしい」という気持ちは、恥ずかしいものでも、はしたないものでもない。それは、あなたの心が、まだちゃんと動いている、生きている証なのだと。花を見て「きれいだな」と思う。おいしそうなものを見て「食べたいな」と思う。素敵なものを見て「ほしいな」と思う。――その、ちいさな心のふるえこそが、あなたが今日を、いきいきと生きている、なによりのしるしなのです。
ほしいと思う気持ちを、いつも押しころしていると、そのうち、心のふるえ方まで、忘れてしまいます。それは、お金を守ること以上に、もったいないことだと、母は思うのですよ。だから、「ほしい」と思ったときに、すぐに「ダメ」とふたをするのではなく、まず、「ああ、私は今、これがほしいんだな」と、その気持ちを、そっと認めてあげてください。買うか買わないかは、そのあとで、ゆっくり決めればいいのです。大切なのは、自分の心の声を、なかったことにしないこと。あなたの「ほしい」を、まず、あなた自身が、やさしく聞いてあげましょうね。
今夜の小さな一歩――ひとつだけ、自分に「許可」を出す
それでは、今夜、母とひとつだけ、してみましょうか。むずかしいことは、なにもいりません。まず、最近あなたが、値札を見て、そっと棚に戻したものを、ひとつ、思い出してみてください。あの、ちいさな器。あの、気になっていた本。あの、いい香りの石けん。――思い出せましたか。
その、あきらめたものに、心のなかで、こう言ってあげてください。「あのとき、我慢したね。えらかったね」。そして、もし、それが今も心に残っていて、暮らしを大きく苦しめるものでないのなら――近いうちに、その、ひとつだけを、自分に「許可」してあげる、と決めてみましょう。ぜんぶではありません。ひとつだけです。「これは、頑張ってきた自分への、ちいさな“許可”」。そう思って、こんどは棚に戻さず、そっとレジまで連れていってあげる。――たった一度、自分に許可を出すだけで、心のなかの、ずっと縮こまっていたところが、ふっと、あたたかくゆるむのが分かるはずです。それは、浪費ではありません。あなたが、あなた自身を、大切にする練習なのですよ。
お金は、大切に扱われる人のところに、巡るといいます
むかしから、お金は「大切に使う人のもとに、めぐってくる」といわれてきました。もちろん、これは言い伝えの範囲のお話です。それでも母は、この言葉のなかに、暮らしの確かな知恵がこもっていると感じています。というのもね、自分のほしいものを、いつも我慢して、心を縮こませている人は、お金に対しても、どこか「こわいもの」「へらしてはいけないもの」という、こわばった気持ちを持ちやすいのですよ。こわばった手のひらには、なにものも、のびのびとは巡ってきません。
反対に、ときどき、自分の「好き」に、そっとお金を使ってあげられる人は、お金との関係が、やわらかくなります。「お金は、私の毎日を、ちょっと幸せにしてくれる、いい相棒だ」――そんなふうに思えたとき、あなたの手のひらは、ふっとゆるむ。そのゆるんだ手にこそ、良い巡りは、入ってきやすいのかもしれませんね。だから、朝には、ほんの小さな縁起でも、心にひとつ、灯りをともしてあげてください。金運の社では、生まれ年や誕生日から占う今日の金運を、毎朝そっとお届けしています。今日のあなたに、やさしい後押しがほしい朝には、今日のおみくじを、そっと引いてみるのもいいですよ。
なぜ、あなたはこんなに我慢が上手になったのか、やさしく知る
とはいえ、「頭では分かっていても、また値札を見て、手を引っこめてしまう」という日は、きっとあるでしょう。人には、それぞれ、お金や「ほしい」に対して、身体が強く反応してしまう“くせ”があるのです。ある人は、減ることが人一倍こわく、ある人は、「自分にお金を使う資格がない」と感じやすく、ある人は、人の目を気にして、ほしいものを言えなくなる。――くせが違えば、その手のひらをゆるめる方法も、変わってくるのですよ。
金運の社の金運タイプ診断は、あなたがお金に、どんな気持ちや意味をこめやすいか、その傾向を、やさしく映す鏡のようなものです。自分のくせが分かると、「ああ、だから私は、こんなに我慢が上手になってしまったのね」と、腑に落ちる瞬間が訪れます。責めるためではなく、いたわるために、自分を知る。「私がけちなんじゃなくて、こういう反応をしやすい人なんだ」と分かるだけで、次にお店で手をとめたとき、少しだけ、自分にやさしくなれるものです。それも、縮こまった心を、そっとほどく、確かな一歩なのですよ。
明日のあなたへ――結びにかえて
ここまで読んでくれて、ありがとうね。よく、この手紙のところまで、たどり着いてくれました。今夜のあなたに、母から伝えたいことは、たったひとつです。ほしいものを我慢できるあなたは、じゅうぶん、りっぱです。だからこそ、ときには、自分の“好き”にも、そっと「いいよ」と言ってあげましょうね。あなたは、けちなのではありません。ただ、やさしく諦めることが、上手になりすぎただけ。それに気づけた今夜のあなたは、もう昨日のあなたとは、少しちがいます。
あしたから、いきなり、なんでも買いなさい、というのではありませんよ。ただ、値札を見て手をとめたとき、「私は今、ほしいと思ったんだな」と、その気持ちを、まず、なかったことにしないでほしいのです。そして、ときどきでいいから、ひとつだけ、自分に許可を出してあげる。縮こまっていた心が、ひとつ許可を出すたびに、ふっとゆるんで、また、いろんなものを「きれいだな」「うれしいな」と感じられるように、戻っていきます。あせらず、ひとつずつ。自分の“好き”を大切にしはじめたあなたのもとへ、良い巡りが、静かに帰ってきますように。
このコラムは、これからも折にふれて、けなげに頑張るあなたのために、手紙を書きつづけますね。棚の前で手をとめて、ふっと寂しくなった日には、いつでも、ここへ戻ってきてください。母は、いつでもここで、あなたの心が、少しずつあたたかくゆるんでいくのを、月あかりの下で見守っています。――さあ、どうか今夜は、あたたかくして、ゆっくりおやすみなさいね。また、次の手紙で。
※本コラムは、心の傾向や言い伝えをやさしく綴る読みものです。ご家庭の家計や支出の具体的なご判断については、ご自身の暮らしの状況に合わせて、無理のない範囲でお決めくださいね。
※本記事は占い・風水・古くからの言い伝えを、娯楽の範囲でご紹介するものです。記載の内容は効果や結果を保証するものではありません。宝くじ等の当選を保証するものではなく、ゲン担ぎ・縁起としてお楽しみください。暦(吉日)は流派・暦により差が出る場合があるため、実際の日付は最新の暦でご確認ください。健康・体調に関する判断は専門家にご相談ください。一部にプロモーション(PR)を含みます。

